開発秘話|vol.2
ホテルウィングインターナショナルセレクト浅草駒形ここでしか体験できない浅草時間
ホテルウィングインターナショナル
物件概要
構造・客室数:S造地上11階・69室
付帯施設:展望テラス(屋上)
アクセス:都営浅草線「浅草駅」A2−b出口より徒歩1分
ここでしか体験できない浅草時間
- 屋上の展望テラスからスカイツリーが見える「ホテルウィングインターナショナルセレクト浅草駒形」は、浅草でも一等地に位置しています。外国人のお客様も数多く訪れることから、客室は和モダンなデザインを採用。エントランスの紋や各階共用部のデザイン、和ツインルームなど、日本らしさが随所に感じられるよう工夫しています。そんな当ホテルはどのようにして建てられたのでしょうか。魅力とともに紹介しましょう。
- ホテルウィングインターナショナルセレクト浅草駒形公式サイト
「1室2名」を実現するために
- 「ホテルウィングインターナショナルセレクト浅草駒形」が建てられた経緯について教えてください。
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当ホテルのオーナー様は、マンションや戸建ての開発を手がけられている不動産会社です。会社の方針として「社会への貢献」や「社会の問題解決」を掲げられていることから、“観光立国を目指す”という国の方針に資するホテルの建設もされています。
ただ東京都内でホテルを建てようとする場合、どうしても地価が高いこともあり、資本力のある大手デベロッパーと競合しなければなりません。そこで、小規模の土地を有効活用し、ホテルに必要な客室を確保するというスキームを実践されています。
当ホテルに関しても、同様のコンセプトで建設されました。部屋数はトータルで70室ほど。ホテル建設の目安となる100室よりかなり少ない規模感です。そのため、1室あたりの単価を上げるなど、採算性を考慮した工夫が必要であると考えていました。
- 実際には、どのような工夫をされているのですか?
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部屋数が限られていることを考えると、1室1名として提供するのには限界があります。そこで、1室2名をベースとし、限られた空間を有効に活用しております。ヒントとなったのは、海外にあるホテルの事例でした。
そのホテルでは、ベッドを2つ置くのではなく、ベッドマットと隙間を埋めるクッションを上手に使って、広い就寝スペースを確保していました。そのような手法を採用すれば、限られたスペースであっても無理なく2人で泊まれる部屋がつくれるため、部屋数の問題を解決することができます。
あえてベッドを置かないというのは、チャレンジングな取り組みでありながら、省スペースで十分な設備を整えるために、非常に効果的でした。そのような工夫を施した結果、1室2名という基本コンセプトのホテルに仕上げることが可能となっています。
“東京一”の眺望が楽しめる
- 浅草寺からほど近いということもあり、立地が素晴らしいホテルですね。
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そうですね。上層階の一部客室からは浅草のシンボル・雷門が見えるだけでなく、屋上からはスカイツリーも一望できます。もともと浅草寺は、川で漁をしていた漁師の網に土砂崩れで流れてきた仏像がかかり、「これはおめでたい」ということで、その仏像を祀ったお寺です。
そのような背景があるため、当ホテルがある周辺も、とても縁起がいい土地であると言われています。そうした事情を加味して、土地柄を大切にしてくれるオペレーターに任せたいというご意向もあり、当社にお話をいただきました。
また当ホテルの周辺というのは、都営浅草線の浅草駅まですぐ近く、成田空港や羽田空港へのアクセスも良好です。歴史のある土地柄ということもあり、多くの外国人観光客の方に利用していただいております。
当ホテル 展望テラスからの景色
- スカイツリーが一望できるというのも非常に魅力的です。
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ある旅行専門雑誌の担当者は、当ホテルを「東京で一番バランスよくスカイツリーが見える場所」と表現してくれました。ちょうど、駒形橋やアサヒビール本社ビルの向こう側にスカイツリーが一望できます。
また、屋上の眺望にも工夫をこらしています。当初は通常の柵を設ける予定だったのですが、それではせっかくの眺望が損なわれてしまいます。そこで、強化ガラスを使用したガラス張りの手すりを設けることにしました。
このように、ここにしかない景色をきちんと楽しめるように設計することで、そのホテルならでは価値をそのままお客様に楽しんでいただけます。隅田川では毎年、花火大会も開催されていますので、それに合わせてお泊りになるお客様にも喜ばれています。
SNSによる積極的な情報発信も
- デザインについてはいかがでしょうか?
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デザインという点では、フロアごとに特徴的なオブジェを設けているものの、比較的シンプルにしています。やはり、スカイツリーをはじめとする眺望や浅草という場所自体が最大の魅力ということもあり、それらを強調しています。
やはり外国人のお客様が多いので、知ってもらうことにも力を入れています。広報的な視点で言えば、インスタグラムをはじめとするSNSでの拡散ですね。スカイツリーが一望できるということもあり、優れた景色を武器に集客を強化しています。
たとえば、ハッシュタグを付けて積極的に情報発信するなど、外国人観光客のお客様が行っている情報収集方法にも配慮しながら、知ってもらい、さらには当ホテルの良さを理解してもらうための施策を講じているのです。
- お客様からの反応はどうですか?
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SNSでの集客が功を奏し、外国人の方からも好評です。中には、「屋上のテラスにあるキャンドルとスカイツリーを見に来ました」という学生もいました。そうした反応を受けて、屋上を活用したさまざまなイベントも展開しています。
お花見やお月見はもちろん、くじ引き、ヨガ、忍者ショー、さらにはこたつ体験など、日本の文化を体験していただく催しは、他のホテルではそうありません。花火大会に関しては、テレビ局の撮影拠点になったこともあります。
当ホテルならではの強みを活かし、今後も積極的な情報発信を続けていきます。観光立国としての位置づけが強まる日本において、浅草という町そのものも変化していく中、当ホテルも自社ならではの価値を提供できればと考えています。